2016年01月12日

「『写本室(スクリプトリウム)の迷宮』」

      ミステリーが大好きな人へ、久しぶりにミステリーでもひとつ。

後藤 均さんの『写本室(スクリプトリウム)の迷宮』を読了しました。
これは非常に面白かった。

第12回鮎川哲也賞受賞作です。
本格ミステリーを書いている新しい作家の作品を読みたくて、
チョイスした作品です。
     『写本室(スクリプトリウム)の迷宮』

『箱に収められた文書は、壮大な謎への招待状となって推理作家を鼓舞するー
第二次世界大戦終結直後、雪に埋もれたドイツの館で繰り広げられる推理ゲーム。
各国から集まった、いずれ劣らぬミステリー狂の滞在客。
「写本室の迷宮」と名付けられた荘厳な図書室。
突如起こる当主殺し。
真相への鍵は問題編のみの推理小説「イギリス靴の謎」の中に?
全編に横溢する衒学趣味。
交錯するミスディレクションと、縦横無尽に張り巡らされた伏線。
三重構造の騙りの迷宮』
        東京創元社ハードカバーより

凝った本格ミステリを読みたい方にはぴったりの一冊です。
先に述べました通り一級の本格ミステリーです。
何か書くと、ネタバレになりそうで、書けません。
そこで、断片的なヒントでも書いておきます。

・三重構造
・作中作『イギリス靴の謎』
・二度の読者への挑戦

そして、
・中世ヨーロッパ
・カタリ派
・聖杯
・第二次世界大戦
・ホームズ
・アナグラム

など、盛り沢山な謎解きに必要なエピソード。

わくわくしましたが・・・
わたしは中世ヨーロッパ歴史は知らない(知っていても表層のみ)
カタリ派を知らない。
ホームズも詳しくは知らない(一般人と同レベル)
中世キリスト教を知らない。
知らないづくめです。

以上を知らないので、二回の読者への挑戦にいくら頭を絞っても、
回答は得られなかった。
早々と降参をして、続きを読んだ。

(知らなくても面白いのだから、知っていればサクサクと面白く読めて、最高に興奮をしたと思う。)

そして、主人公は最後に謎を解いたと思ったが、
たどり着いたその先には、最上級の謎が待っていた。
本作はここで終わりです。
読み終えたわたしは『えええええー、どうよー、ここで終わるんか?』と叫びました。

今回は★★★★半です。
星★★★★★をあげたかったのですが、外国なので出演者が横文字です。
中々覚えられなくで、何回も前のページを見ては読むを繰り返しました。
これは結構しんどい。
それと先にも述べた通り、時代背景や諸々の事が分からず、
(読み手のわたしのせいですが)満点ではなく4.5点としました。

続編は『グ-テンベルクの黄昏』 (創元クライム・クラブ)の様です。
2005年11月発売されています。


        文責:syun





  
タグ :ミステリー


Posted by 黒江の町並み景観づくり at 18:54Comments(0)推理小説