2016年01月14日

「本格ミステリーファンは変態か?」

   早見江堂さんの『本格ミステリ館焼失』を読了いたしました。
         講談社メフィスト賞応募作。

この作品には本文に入る前に面白い趣向がある。
それは何か?
著作本・本体の奥付の一つ前の頁に、作家のプロフィールが書かれている。
その最後にこうある。
『このペンネームの由来は、ミステリ・ファンのあなたなら即解けますね』と。

さあ、ここから本文に入る前に謎解きをしました。
アナグラムなど色々しました。

作者の読み方はこうなります『はやみ・えどう』です。
これは読者への挑戦です。
ひとつどうでしょうか?
挑戦は・・・

「本格ミステリーファンは変態か?」

『森の中の閉ざされた館が崩れ落ち、そして誰もいなくなった?』
『愛する叔父の死の真相を探る奈々緒、その結末とは?
本格ミステリへの愛と蘊蓄に充ちた傑作が誕生。
これぞ、21世紀の「ザ・火沼(?)マーダー」だ』
       講談社ハードカバー 帯より


この作品には文句があります(フェアではない)。
でも、書けばネタバレになりますので書きません。
伏線ははってありますが・・・

それより面白いのは、作中のこの文章です。
『まるで本格ミステリのファンはみんな変態みたいね』
『みんながそうだというわけじゃないよ』
この『変態みたいね』は当たっていると思います。
あと一つプラスするならば、『変態+変人』ではないでしょうか。

猟奇的な描写を楽しみながら読み、おどろおどろしい世界を垣間見る。
ちまちまと謎を追い、ラビリンスの罠の中に入り、満足感に浸る。
性懲りもなく謎に挑んでは跳ね返されても、
それが至福の世界だと甘受する。
まさしく『変態+変人』の世界だ。

そんな世界が大好きです。


     文責:syun


タグ :推理小説

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Posted by 黒江の町並み景観づくり at 19:03│Comments(0)推理小説
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